SUVがこれだけ多く発売されている現在、その元祖とも言える『ジープ』が大きな分岐点にさしかかっている。ジープはいうまでもなくダイムラー・クライスラーの看板車種(ブランド)だが、SUVとしては特にオフロード性能がすぐれていることでも知られている。
しかし現在純粋なオフロード人口は少数派であり、ジープも備え付けられたそのほとんどの機能が充分に使用されているとは言えない状況。むしろ乗り心地などを優先させた乗用車的性質を持つ他のSUV に押され気味、というのが本当のところだ。
そこで注目が集まっているのは、「ジープの大幅な路線変更はありえるのか」ということ。もちろんオフロード性能をいかしたジープはそのニーズのために生産が続けられるだろうが、一般ユーザーをターゲットとした乗用車に近い、いわばソフト版ジープというものが今後生産される可能性があるかどうか、という点だ。
ダイムラー・クライスラーでも「ジープという名前は大切だが、そのコンセプトの幅が狭すぎるかも知れない」と認めている。ファンにとってはジープはジープであることに価値があるのだが、SUV 人気が続く限り、ジープ路線を貫き通すのは困難になりつつあるようだ。