アストンマーティンのバイク、225馬力のサーキット専用仕様がデビュー…EICMA 2022

パワーウェイトレシオは1.28hp/kgでF1マシンと同レベル

エアロダイナミクス性能を引き上げるための変更

英国のブラフスーペリアと共同開発

アストンマーティン・ヴァルキリー AMR Pro と AMB 001 Pro
  • アストンマーティン・ヴァルキリー AMR Pro と AMB 001 Pro
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  • アストンマーティン AMB 001 Pro
  • アストンマーティン AMB 001 Pro
  • アストンマーティン AMB 001 Pro とヴァルキリー AMR Pro
  • アストンマーティン AMB 001 Pro
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アストンマーティン(Aston Martin)は11月8日、ミラノモーターサイクルショー2022(EICMA 2022)において、ブランド初の二輪車『AMB 001』のサーキット専用モデル『AMB 001 Pro』を初公開した。

◆パワーウェイトレシオは1.28hp/kgでF1マシンと同レベル

デザインモチーフには、アストンマーティンのサーキット専用ハイパーカー、『ヴァルキリーAMR Pro』を起用した。AMB 001 Proは、AMB 001同様、ブラフスーペリアと共同開発された。AMB 001 Proは、88台が限定生産される予定だ。

排気量997ccのV型2気筒ガソリンターボエンジンが搭載される。最大出力は180hpから225hpへと、25%引き上げられた。パワーウェイトレシオは1.28hp/kgで、F1マシンと同レベルという。トランスミッションは6速で、「APTC(アドラー・パワー・トルク・クラッチ)」を組み合わせる。

25%のパワーの向上は、エンジンに新素材を採用したことなどによるものだ。素材の特性により、エンジンの剛性が向上した。湿式ライナーを備えたシリンダー設計によって、冷却性能も引き上げられている。

◆エアロダイナミクス性能を引き上げるための変更

アストンマーティン AMB 001 Proアストンマーティン AMB 001 Pro

サーキット走行において、空力性能を高める変更を行った。ダウンフォースはフロントスポイラーとサイドウィングによって増加し、フロントのカウルがボディ一体設計となり、フロントエンドでのダウンフォースを追求している。トンネル効果のエアブレードが、ライダーの上に空気を導く。空気は、フロントウィングに組み込まれた大型インテークから入り、新設計のフロントカウルを通過する。テールフィンにはエアロタビライザーザインを採用している。

AMB 001 Pro には、ひとつの仕様のみが用意される。アストンマーティンの「Verdant Jade」とサテン仕上げのカーボンファイバー、ブラック仕上げの「Cerakote」エンジンとサスペンションを組み合わせたレーシングカラーが特長だ。「Photon Lime」のアクセントが配されており、アストンマーティンのレーシングカーの血統に敬意を表している。

ハイパーカーの『ヴァルキリー』と同様に、AMB 001 Proにはアストンマーティンの「レースウィング」エンブレムが装着される。もともとヴァルキリーのためにデザインされたアルミ製レースウィングは、通常のエンブレムよりも99.4%軽量だ。厚さは70ミクロンで、人間の髪の毛よりも30%細い。このエンブレムは、ノーズカウルやタンクなどにあしらわれている。

◆英国のブラフスーペリアと共同開発

AMB 001 Proは、ベースとなったAMB 001と同じく、英国のブラフスーペリアとの提携を生かして共同開発された。ブラフスーペリアは1919年、ジョージ・ブラフ氏が設立した。高性能かつ高品質なブラフスーペリアの二輪車は、「オートバイのロールスロイス」と称されていたが、1940年に二輪車生産から撤退した。

2013年、二輪デザイナーのティエリー・ヘンリエット氏が、ブラフスーペリアを復活させた。ブラフスーペリアの最も有名な二輪車で、映画『アラビアのロレンス』(1962年公開)のモデルになったトーマス・エドワード・ロレンスも所有していた『SS100』を、現代の技術で再現している。

AMB 001 Proの欧州受注は、すでに開始されている。フランス・トゥールーズのブラフスーペリアの工場でハンドメイドされる予定だ。顧客への引き渡しは、2023年第4四半期(10~12月)からを計画している。

《森脇稔》

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