BMWモトラッド(BMW Motorrad)は2月20日、1台限りのカスタムバイクのBMW 『R18 IRON ANNIE』を欧州で発表した。
◆タンクに組み込まれたスピードメーター
BMW R18 IRON ANNIEこのバイクは、スイスの「VTR Customs」によってカスタマイズされた1台だ。デザインのインスピレーションは、ドイツのユンカース社が1930年代に開発した航空機「Ju 52」に求められた。
たとえば、タンクに組み込まれたスピードメーターは、当時の多くの航空機に見られるコックピットを思い起こさせるのが狙い。シートは乗馬用のサドルを連想させるものとした。車体は、グレーとブラックで塗装している。
また、高さ調整可能なウィルバーズ製ショックアブソーバーによって、車高は最大で70mmローダウンでき、バイクの低い姿勢を強調している。
◆改造の自由度が高いR18ならではの特徴を利用
BMWモトラッドによると、R18は、他のどのモーターサイクルよりも高度なカスタマイズを可能にするデザインを採用しているという。そのために、モーターサイクルの基本レイアウトをデザインする初期段階において、カスタマイズ性に焦点を当てている。その結果、取り外しが容易なリアフレームや、分解し易い塗装済みパーツセットが装備されている。
R18のリアエンドには、高い改造の自由度があり、比較的少ない労力で個人の好みに合わせたり、好みに応じて塗装を塗り替えたりすることができる。ブレーキやクラッチの油圧ラインや、ワイヤーハーネスの取り付け位置を慎重に選んでいるため、高いハンドルバーや低いハンドルバーに合わせた長/短の油圧ラインやワイヤーハーネスを組み合わせて、無加工で取り付けできるという。
純正アクセサリーにラインアップされているすべてのハンドルバーで、最適な取り付けキットが用意されている。さらに、バルブカバーやベルトカバーが、オイルチャンバーの外側に配置されるよう設計されているため、簡単に交換できる、と自負する。
◆最大出力91psを発生する 2気筒「ビッグボクサー」
BMW R18 IRON ANNIE心臓部には、2気筒ボクサーエンジン、いわゆる「ビッグボクサー」が搭載される。ビッグボクサーの外観とテクノロジーは、1923年に生産を開始して以来、70年以上にわたって刺激的なライディングエクスペリエンスを提供し続けてきた伝統的な空冷ボクサーエンジンの継承を反映しているという。
これまでにBMWの量産モーターサイクルに搭載された中で、最もパワフルな2気筒ボクサーエンジンを積む。排気量は1802ccで、最大出力91ps/4750rpm、最大トルク16.1kgm/3000rpmを獲得する。15.3kgm以上のトルクが、2000~4000rpmで引き出される特性を持つ。このエンジンは、優れた牽引力と深みのあるエンジンサウンドを発揮するという。
BMWモトラッドの理念に従って、リラックスできるフットレストの配置、いわゆる「ミッドマウントフットペグ」を採用する。シリンダー後方のこのクラシックな位置は、BMWにとって典型的なレイアウトだ。また、車両を最適に制御するために、リラックスしつつもアクティブなライディングポジションを可能にした、としている。