フェラーリ 296 に「チャレンジ」、ハイブリッドなしで700馬力…新ワンメークレーシングカー発表

今シーズンにレースデビューした『296GT3』と近い仕様

排気量リッターあたりのパワーはセグメント最高の234hp

250km/h走行時に870kgを超えるダウンフォース

フェラーリ 296 チャレンジ
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フェラーリは10月19日、新型レーシングカー『296チャレンジ』(Ferrari 296 Challenge)を欧州で発表した。ワンメークレースの「フェラーリ・チャレンジ・トロフェオ・ピレリ」史上、9代目のモデルになる。

◆今シーズンにレースデビューした『296GT3』と近い仕様

同車は、フェラーリのミッドシップ2ドアスーパーカー『296GTB』をベースにしたレーシングカーだ。フェラーリのワンメイクレースシリーズの限界を塗り替えるべく開発された。現行のフェラーリ『488チャレンジEvo』の後継モデルになる。

2024年シーズンの欧州と北米シリーズでのデビューに際して、296チャレンジにはフェラーリ488チャレンジEvoと比べて、多くの新機能が導入される。さらに、革新的なデザインという側面も持ち合わせているという。

新しい296チャレンジは、これまでとは一線を画す新たな理念を具現化したものだ。その理念は、レース用に仕様を最適化するために、市販車に対して行われてきたさまざまな取り組みを目の当たりにして築かれてきたという。性能とレース時のラップの安定性という両面で、跳ね馬のワンメイクレースシリーズの限界を塗り替えることを目指した296チャレンジは、今シーズンにレースデビューした『296GT3』と近い仕様を備えている。

◆排気量リッターあたりのパワーはセグメント最高の234hp

296GTBの血統を受け継ぐ296チャレンジでは、パワーユニット、エアロパッケージ、車両フロントのダイナミクスに大幅な変更を行った。これらはすべて、サーキットで最高のパフォーマンスを発揮するためのものだ。296チャレンジには、296GT3にも搭載されているバンク角120度の排気量2992ccのV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを積む。

このV6エンジンは、フェラーリのエンジニアが専用に設計・開発したもの。フェラーリで初めて、ターボをVバンク間に配置しているのが特長だ。バンク角120度のアーキテクチャーによって点火順序を左右対称にでき、等長のチューンドエグゾーストマニフォールドと、ホットV外側の1本出しの排気ラインが圧力波を増幅させたという。

市販車の296GTBはプラグインハイブリッド車(PHEV)だが、296チャレンジではPHEVシステムは未搭載となる。296チャレンジのV型6気筒ガソリンツインターボエンジンの最大出力は700hpで、最大トルクは75.5kgmを引き出す。市販車の296GTBの最大出力663hp(エンジンのみ)に対して、37hp強化された。296チャレンジは、このセグメントで排気量リッターあたりのパワーが234hpという新たなパワーレコードを打ち立てている。

◆250km/h走行時に870kgを超えるダウンフォース

296チャレンジのエアロパッケージは、ワンメイクレースシリーズ史上、例のないダウンフォースの数値を獲得しており、あらゆる条件の中で最高の効率を確保している、と自負する。296チャレンジは250km/hでスポイラーの迎角が最大の時に、870kgを超えるダウンフォースを発生させている。市販車の296GTBのサーキット走行仕様の「アセット・フィオラノ」では、250km/h走行時のダウンフォースは360kgだ。

296チャレンジには、296GTBで初めて導入されたブレーキシステム「ABS EVO Track」が、専用に調整されたうえで搭載される。新しい「CCM(カーボン・セラミック)R PLUS」ブレーキディスクの追加に伴い、制動性能と安定性の両方が改善された。専用に開発されたピレリの新しい19インチタイヤも、車両のハンドリングとパフォーマンスに大きく寄与している、としている。

《森脇稔》

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