トヨタ自動車が29日発売した新型ミニバン『シエンタ』は、2つのグレードが異なるモデルのプラットフォームを合成して作り上げている。開発担当の永井正之チーフエンジニアによると、前部は『ヴィッツ』に採用された「NBCプラットホーム」、負荷がかかる後部は1ランク上の『カローラスパシオ』のプラットホームを採用したという。
合成を証明するように、シエンタのトレッドは前輪が1465mm、後輪が1485mmと、後輪が広くなっている。自動車メーカーでは、コスト低減のためにプラットホームの集約化が潮流となっているが、派生車種のために部分的にアレンジするのも最近の傾向となっている。
シエンタは後部プラットホームをスパシオと共有化することで、サスペンションなどの部品共通化も実現。価格競争力にも結びつけた。永井チーフエンジニアは、ボディ設計の出身だけに車体中央部を指しながら「ふたつのプラットホームをここでスパーンと切って、溶接するだけですから」と、こともなげに笑った。