新開発3.0リットルDOHCのV6直噴エンジンが注目。すでに3.6リットル版は『CTSセダン』に搭載され『カマロ』にも設定されているが、果たしてその3.0リットル版のパワーはワゴンを運ぶのに十分なパワーを持っているのか? ということが気になっていた。
その答えは、十分なものだった。トルクもあり、下から上まで淀みなく回るエンジンだ。力不足はまったく感じず、3.6リットル同様にレギュラーガソリン対応なのが嬉しい。
それと、驚いたのは室内が非常に静かで乗り心地が非常に良いこと。18インチタイヤを履いていたことに降りてから気付き、改めて驚いた。タイヤの硬さや、超扁平率タイヤ特有の突き上げをほとんど感じずに乗れる。最近のGMのクルマはカマロを含めNVH(ノイズ・ハーシュ・バイブレーション)がとても進化していることに驚かされる。
ハンドリングは、ホイールベースをセダンから変更せずにワゴン化したことで前後荷重配分が50:50になったというだけにかなりスポーティ。セダンよりも剛性感の高いボディーと進化したサスペンションの影響も大きいだろう。とにかくセダンよりも上質に感じた。
気になるとすれば、前席シートの座面が小さいことか。私のような小柄な日本人にはちょうど良いが…。ただし、造りはキャデラックらしい上質なものだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法で53歳の現役レーシングドライバー! SUPER GTをランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500 など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。2009-2010日本カーオブザイヤー選考委員。