【インドネシアオートショー 16】MPVを充実させてさらなる競争力アップを狙うダイハツ

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ダイハツ・シグラ
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ダイハツはインドネシア専用に開発し、8月2日に発売したMPVの『シグラ』をインドネシア国際オートショー2016(GIIAS2016)で公開した。シグラはトヨタにもOEM供給され、こちらは『カリヤ』の名で販売される。

シグラは現地子会社のアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)で販売されている7人乗りスモールMPV。スモールカー『アイラ』にも採用された「グローバルAセグメントプラットフォーム」を改良した基本骨格を持ち、排気量1リットル、新開発の1.2リットルという2種のガソリンエンジンを搭載する。

しかし同国でダイハツは2004年に、排気量1リットル、1.3リットルのMPVとして『セニア』を発売。現在も姉妹モデルのトヨタ『アバンザ』とともにベストセラーとなっている。つまりまったく同じクラスに、同じようなキャラクターの車種が追加投入されたことになる。その理由はなんだろうか?

それはパッケージレイアウトの違いと、それがもたらす商品特性の違いにある。オーソドックスな縦置きエンジン、後輪駆動のレイアウトを採用するセニアに対し、シグラはアイラと同じくエンジンを横置きして前輪を駆動。これによって「セニアでは適応不可能だったLCGCとして販売できる。これがシグラの特徴です」とダイハツ関係者。

LCGCとは「ローコスト・グリーンカー」を略した、インドネシア独自のエコカー政策のこと。これに適合するには1200cc以下の排気量で、1リットルあたり20km以上の燃費を達成する必要がある。「おもに燃費基準を達成するためにFFレイアウトを採用し、軽量化も追求しています。ですから4WDを設定することは非常に難しいでしょう」とのこと。

またLCGCは価格の上限も決められ、適応していない同クラスの車種に比べて安めの値付けとなるほか、高額商品に科される「ぜいたく税」が免除される。これによって従来より庶民の手が届きやすい価格帯の品揃えを実現し、国内自動車市場を活性化させる狙いがある。メーカーにとってLCGCは、新たなユーザーを獲得する重要な商品と位置づけられている。

つまりADMとしては、スモールMPVクラスのラインナップをベストセラーのセニア、LCGCのシグラという2本立てにすることで、従来以上に幅広い層の顧客にアピールすることにした、というわけだ。

振り返れば昨年8月、ADMはフルモデルチェンジと呼んでもいいくらいの大幅なアップデートを施したセニアを発売した。これには、MPVラインナップのボトムエンドを担うシグラが新たに投入されることを受けて、好評な従来イメージを保ちつつ、少しばかり上級移行させようとする意図があったのかもしれない。

《古庄 速人》

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