島の全車両を電動化へ、シトロエンのEVを公用車として導入…ギリシャ

エーゲ海に浮かぶハルキ島がシトロエンのEVを導入

2名乗りの小型シティコミューターEVが『アミ』

運転席側のドアは逆ヒンジ式で開閉

『e-C4』は1回の充電での航続が最大350km

ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV
  • ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV
  • ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV『アミ』
  • ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV『アミ』
  • ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV『アミ』
  • ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV『e-C4』
  • ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV『e-C4』
  • ギリシャのハルキ島に導入されたシトロエンのEV『e-C4』
  • シトロエン・アミ

シトロエン(Citroen)は11月5日、ギリシャ政府によるハルキ島のゼロエミッション化計画の推進に協力し、シトロエンのEVがハルキ島の警察などに公用車として導入された、と発表した。

エーゲ海に浮かぶハルキ島がシトロエンのEVを導入

ハルキ島は、ギリシャ東部のエーゲ海の小島。面積は28平方kmで、人口はおよそ300人。中心産業は観光で、夏季には観光客が多く訪れる。ギリシャ政府はハルキ島のモビリティを、ゼロエミッション化するプロジェクトを立ち上げた。既存のガソリン車を、すべてEVに置き換えることを目指す。シトロエンは、島の住民や企業に、ゼロエミッションのEVを手頃な価格で提供していく。

シトロエンは、ハルキ島の当局に合計6台のEVを納車した。2台の『アミ』を警察と沿岸警備隊に、2台の『e-C4』と1台の『スペースツアラー』をハルキ市に納入した。 『ジャンピー』は、ハルキ市のエネルギーコミュニティに納車された。

シトロエンブランドのヴィンセント・コビーCEOは、「電動化をすべての人が享受できるようにすることを約束し、ハルキ島を自律的でスマート、持続可能な島に変えることに貢献できることを誇りに思う」と語った。

2名乗りの小型シティコミューターEVが『アミ』

アミは2名乗りの小型のシティコミューターEVだ。ボディサイズは、全長2410mm、全幅1390mm、全高1520mm。車両重量は485kgに抑えられた。最小回転半径は3.6mと、取り回し性に優れる。シトロエンによると、バスや地下鉄、路面電車などの公共交通機関のほか、二輪車、自転車、スクーター、キックスクーターなどの代替手段として開発したという。最新の一部シトロエン車に導入されている「エアバンプ」が装備され、車体を損傷から保護する。

新車として購入できるほか、例えば1年間の長期リース、1分、1時間、1日単位でのカーシェアリングなどにも利用できる。1分間の利用料金は、0.26ユーロとした。

EVパワートレインのモーターは、最大出力が8.2hpだ。バッテリーは蓄電容量5.5 kWhのリチウムイオンで、フロア下にレイアウトされる。1回の充電での航続は最大70kmだ。シトロエンによると、毎日の通勤やちょっとした外出など、都市部での移動に最適で、70kmの航続は、都市部のユーザーの1日の平均移動距離を上回るという。バッテリーの充電は、220Vソケットで、およそ3時間で完了する。

運転席側のドアは逆ヒンジ式で開閉

スマートフォンとの連携が強化されている。ドライバーは、航続、バッテリーの状態、充電の残り時間、メンテナンススケジューリングなど、車両に関する重要な情報に、いつでもスマートフォンからアクセスできる。

キャビンへのアクセスを容易にするために、運転席側には逆ヒンジ式のドアを採用した。車内に乗り込み、スマートフォンを専用の場所に置く。スマートフォンがダッシュボードのメイン画面になり、ナビゲーションや音楽にアクセスできる。

さらにアミは、「Free2Move」を使用したカーシェアリングや、月額19.99ユーロからの長期レンタルなど、ニーズに合わせて手頃な価格で利用できる。新しい顧客体験は、フランスの家電販売大手フナック・ダルティとのパートナーシップによって実現した。アミは、都市部での移動に自由と手軽さを与え、大人数での移動にも対応し、グローバルで全方位的なソリューションを提供することを目指している。

『e-C4』は1回の充電での航続が最大350km

新型『C4』のEV版が、e-C4だ。EVパワートレインのモーターは、最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを発生する。スポーツモードでは、0~100 km/h加速9.7秒の性能を発揮する。最高速は150km/hでリミッターが作動する。バッテリーは400Vの高電圧のリチウムイオンで、蓄電容量は50kWhだ。1回の充電での航続は、WLTPサイクルで最大350kmに到達する。e-C4は、エンジン搭載車の進入が制限されている欧州の電動車専用ゾーンに、アクセスすることができる。バッテリーには8年間、または走行16万kmの保証が付帯する。

e-C4には回生ブレーキが装備されており、ブレーキペダルを踏まなくても車両を減速させ、航続を拡大する機能がある。このシステムでは、ブレーキや減速時のエネルギーを、バッテリーに蓄えることができる。これより、ドライバーはバッテリーを充電しながら、航続を拡大できるという。

センターコンソールのモードセレクターによって、走行モードが切り替えられる。走行モードは、エコ、ノーマル、スポーツの3種類だ。モードに応じて、エアコンやEVパワートレインの特性が変化し、ドライバーはダイナミズム重視、エコ重視の走行が選択できる。運転席と助手席の間には、シフトスイッチが配される。このスイッチはメタルのエレガントな仕上げで、R、N、Dの3つのポジションを切り替える。Pはパーキングモードで、Bはブレーキエネルギー回生モードだ。センターコンソールには、電動パーキングブレーキのスイッチがレイアウトされている。

《森脇稔》

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