【ヤマハ Xフォース 試乗】「道の選択肢が増える」原2+αコミューターの魅力…小鳥遊レイラ

排気量の大きさが、コミューターとしての乗りやすさに

高速道路と一般道、「走る道を選べる」という大きな強み

ツーリング主体ではなく、ちょっとした移動のための利用がベスト?

ヤマハ X-FORCEを“ことりちゃん”こと小鳥遊レイラが試乗!
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ヤマハの『X FORCE(Xフォース)』は、155cc水冷単気筒の新型ブルーコアエンジンを搭載した軽二輪クラスとなるスクーター。車格は125ccの『シグナスグリファス』などと比べるとほんのちょっと大きめといった感じで、原2クラスの街中での扱いやすさ・取りまわしやすさはそのままに高速道路も走れる要素がプラスされたといったモデルになっています。

◆排気量の大きさが、コミューターとしての乗りやすさに

ヤマハ X-FORCEヤマハ X-FORCE

ライポジの大きさ感も125ccクラスとほとんど変わらないものの、Xフォースではハンドルのステアリングヘッド位置が少々高く設定されているようで、狭い場所で小回りするような場合はハンドルの低い125ccの方がより楽にいける感じとなっていました。しかし、速度が速くなっていくにつれてハンドルが高いXフォースの方が押さえやすく安心して走れるような設定となっています。

全体的な直進安定性もシグナスグリファスより高く感じられるのは、やはり高速道路走行に対応しているからでしょうね。シート高は815mm。足つきに関しては身長160cmの私だと前の方に座らないと地面に足が届きにくかったのですが、これは30mm低いシグナスグリファスでも同様でしたので、十分合格点と言えるでしょう。

ヤマハ X-FORCEヤマハ X-FORCE

出力は15psで、シグナスより3psアップとエンジンパワー的には原2+αといった感じ。意外だったのはスタートの加速感で、排気量の大きいXフォースの方が鋭いダッシュ力を見せるのかと思ったら、それが逆でした。やりすぎくらいに力強いシグナスに対して、Xフォースはナチュラルなトルク感で自然なスタート。コミューターとして街中メインで使うことを考えると、私としてはXフォースの方が乗りやすく感じられましたね。スタート直後に横から何かが飛び出してきても咄嗟に対処がしやすく感じます。ただ、いったん走り出してしまえば途中でトルクの谷を感じることなく、どこからでもパワーがついてくる扱いやすさとしては、どちらも一緒でした。

◆高速道路と一般道、「走る道を選べる」という大きな強み

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セールスポイントである高速道路での走行テストについてはごめんなさい。時間の関係であいにく行えませんでした。ですが、私がこれまで乗ってきた150ccクラスのマシンで想像すると、最高出力15psのXフォースではおそらく高速道路を走ることはできるけど、全開でも左走行車線で前車についていくのが精一杯でロングツーリングを楽しもうとすると大変ではないかと思います。実際には1区間や2区間を走るくらいがちょうど適している感じになるのではないでしょうか。

ではあまりメリットが無いのではと思うかもしれませんが、それはまったく違います。例えば、仕事の打合せが伸びてしまい次のクライアントとの予定時刻ギリギリになってしまった。一般道だと絶対に間に合わないけど首都高速を走ればなんとかなる…。そんなときに使える道の選択肢が増えるということがコミューターであるXフォースとしては大きなメリットになると思うのです。

他にシグナスグリファスには無かった走りのメリットとして挙げられるのが、前後ABSとトラクションコントロールの採用でしょうか。マンホールや白線の多い街中では、通勤・通学など毎日使う場合、トラコンは雨の日でも心強いですし、ABSは咄嗟にフルブレーキをかけられるのが助かります。

ヤマハ X-FORCEヤマハ X-FORCE

Xフォースはフルフェイスヘルメットが入るシート下トランクやUSB電源付きのフロントポケット、コンビニフックなどスクーターならではの実用性も十分高いものが揃っていました。そのうえ125クラスにあまり無い装備として、Bluetoothで専用アプリ「Yamaha Motorcycle Connect(Y-Connect)」と接続できるスマホ連携機能も搭載。電話やメール着信などのメーター内表示が可能となるこの機能ですが、私としてはスマホ内でメンテ時期など車両情報を見ることができるのが特に便利だと感じます。

◆ツーリング主体ではなく、ちょっとした移動のための利用がベスト?

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まとめとしては、スクーターとしての便利さにいざとなれば高速道路も走れるということで「道の選択肢が増える」ということが最大のメリットのように感じられたこのマシン。乗るためには普通二輪免許以上が必要になるということで、すでにメインのミッション付きバイクを持っている人がツーリングはそちらに任せて、街中のちょっとした移動のためのセカンドバイクとして利用するのがベストのように感じました。もしくは、免許は持っているけど愛車は現在持っていないという人が、とりあえず手軽なマシンを1台欲しくなったといった場合にもいいと思います。

車両価格は39万6000円と、シグナスグリファスよりわずか3万8500円高いだけで原2クラスの便利さに高速道路走行、ABS、トラコン、スマホ接続機能がプラスされてきます。ヤマハさんの中でもなかなか良心的なモデルだなという印象でした。

ヤマハ X-FORCEを“ことりちゃん”こと小鳥遊レイラが試乗!ヤマハ X-FORCEを“ことりちゃん”こと小鳥遊レイラが試乗!

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん
レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、一昨年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。先日、MFJロードレース国内ライセンスを取得して、今年は2輪でもレースに参戦予定。イベントMCから2&4輪の耐久レース参戦まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

《小鳥遊レイラ》

小鳥遊レイラ

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、一昨年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。先日、MFJロードレース国内ライセンスを取得して、今年は2輪でもレースに参戦予定。イベントMCから2&4輪の耐久レース参戦まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

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