“宇宙がお家に届く”…変形型月面ロボット『SORA-Q』発表会に篠原ともえと野口聡一

SORA-Q市販モデル記者発表会
  • SORA-Q市販モデル記者発表会
  • タカラトミーSORA-Q市販モデル (c) TOMY
  • タカラトミー、キャラクタービジネス本部の高原文彦執行役員
  • JAXAの平野大地さん
  • 天体&宇宙愛好家の篠原ともえさん
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  • JAXA「LAMPE」ミッション (c) JAXA

タカラトミーJAXAが4月13日、共同で変形型月面ロボット『SORA-Q』の発売モデル記者発表会を開催した。

SORA-Qの市販発売モデル「SORA-Q Flagship Model」は、変形型月面ロボット「SORA-Q」による月面体験を家庭でも疑似体験できるよう、月に行く機体と同じ大きさ(直径約80mm)、同じ変形、同じ動き(バタフライ、クロール走行)を再現した、1/1スケールモデルだ。専用のアプリ(無料)を使用して操作する。

東京都内で開催された発表会にはタカラトミーよりキャラクタービジネス本部の高原文彦執行役員、アライアンスキャラクター事業部の赤木謙介部長、JAXAより平野大地さんが登壇。さらにゲストとして天体&宇宙愛好家として知られるデザイナーの篠原ともえさんと宇宙飛行士の野口聡一さんも出演した。

タカラトミーSORA-Q市販モデル (c) TOMYタカラトミーSORA-Q市販モデル (c) TOMY

「SORA-Q」は、タカラトミー、JAXA、ソニー、同志社大学の4社が共同で制作した変形型月面ロボット。JAXAが募集している、地上と宇宙の課題を技術で解決する共同研究プロジェクト「宇宙探査イノベーションハブ」の一環として開発が始まったものだ。

まずはタカラトミーの高原氏がSORA-Qプロジェクトの始まりを説明。6年前から企画がスタートし、タカラトミー長年作ってきたトランスフォーマーをはじめとした変形ロボットの技術を使って、軽量化、小型、変形するロボットを制作した。

タカラトミー、キャラクタービジネス本部の高原文彦執行役員タカラトミー、キャラクタービジネス本部の高原文彦執行役員
タカラトミーの変形玩具タカラトミーの変形玩具▲会場に飾られていた、タカラトミーの変形ロボットや、50年以上前に作られた宇宙たんけんセット。▲会場に飾られていた、タカラトミーの変形ロボットや、50年以上前に作られた宇宙たんけんセット。

続いてJAXAの平野氏が登壇し、「宇宙探査イノベーションハブ」プロジェクトと、「SORA-Q」の2つのミッションを解説。

JAXAの平野大地さんJAXAの平野大地さんSORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会

「SORA-Q」はまず2022年11月に打ち上げられた箱型の探査機「LAMPE」に搭載されており、今月末に月へ到着する予定だ。月面に射出された後、遠隔操作で撮影や探査などが行われる。

SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会

続いて2023年8月頃を予定されている月面探査機「SLIM」に搭載され、着陸前に射出。着陸点の撮影や調査などを、こちらは自立行動で行う予定となっている。

SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会

篠原ともえさんもこのプロジェクトの話を聞いた上で、2回も月に行くなんてすごいと感心。自身もデザイナーとして「宇宙はインスピレーションの塊」としていた。

SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会

ここで一回メンバーが入れ替わり、続いては一般に発売されるおもちゃの「SORA-Q」、「SORA-Q Flagship」市販モデルの実物披露を含めた発表が行われた。

篠原ともえ野口聡一さん篠原ともえ野口聡一さん

おもちゃでありながら、本物とほとんど同じに作られているとのことで、篠原さん、野口さんの2名が実際に操縦してみることに。

SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会

野口さんはSORA-Q市販モデルを触ってみた感想として、「金属でできてるので、宇宙ステーションの機械類に似た感触。宇宙ステーションの宇宙飛行士が触るところは触って切らないように面取りされているが、その面取りの感じが宇宙製品に近くてすごく再現度が高い」とその出来について驚いていた。

篠原さんもそれに同意し「自分で操作できるのが贅沢。宇宙に対してリスペクトを感じる」としていた。

さらに、このプロジェクトについてどう思うかMCから問われると、野口さんは「宇宙を愛するというのはいろんなスタイルがあると思う。このSORA-Qは見て楽しむだけでなく、自分も参加できる。月面で動いている日本初、世界初の変形型ロボットを自分の家で楽しめるのが素晴らしい。宇宙事業を他人事ではなく、自分ごとにできるのが大きいと思う」と返答。

篠原さんも「自分が宇宙を好きになったのは、両親から買ってもらった双眼鏡で星を眺めたのがきっかけ。このSORA-Qで遊んだ人が同じように宇宙を好きになるきっかけになるのでは」と期待を寄せていた。

SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会

最後に、子どもたちへのメッセージとして「憧れを持つってすごく心にいいことだと思います。私は自然だったり宇宙だったり星といったものにインスピレーションをたくさん受けています。そんな宇宙への憧れを届けるというアクションは、私達に勇気とパワーをくれるものだと思います」(篠原さん)

「普段我々はお子さんたちに向けて話す時は"夢が宇宙に届け"と言うが、逆にこれは"宇宙がお家に届く"モノ。1m先で探査機を動かすのも、37万km先で動かすのも原理的には同じ。隣の部屋にSORA-Qを置いて、それをスマホで撮影してもらいながら操縦すれば、まさに月面探査と同じ状態になる。買ったみなさんはいろんなかたちで月探査に関われるすごいチャンスだと思う。ぜひ月面パイロットになったつもりになってもらえれば嬉しいです」(野口さん)とエールが贈られた。

SORA-Q市販モデル記者発表会SORA-Q市販モデル記者発表会

SORA-Q Flagshipは9月2日発売で、予約がスタートしている。SLIMの打ち上げに合わせた応援キャンペーンも続々実施予定だ。

《二城利月》

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