ダイハツ 奥平社長「試験を一度でクリアしたいというプレッシャーがあったのではないか」…不正行為が発覚

ダイハツ工業
  • ダイハツ工業
  • プロドゥア・アジア。プロドゥアはダイハツと現地資本との合弁
  • プロドゥア・アジア
  • トヨタ・ヤリスエイティブ

二度あることは三度あるではないが、トヨタ自動車のクループ企業で日野自動車、豊田自動織機に続いて、今度はダイハツ工業不正行為が発覚した。その背景にはなにがあるのか。

「弊社が開発した海外市場向け車両4車種に側面衝突安全試験に関する認証申請において不正行為が認められた。お客様をはじめとする多くのステークホルダーの皆さまの信頼を裏切り、多大なるご迷惑をおかけすることになりましたこと、誠に申し訳ございません。深くお詫び申し上げます」と奥平総一郎社長は会見の冒頭、深々と頭を下げた。

対象となる4車種は、タイで2022年8月に生産を開始したトヨタ『ヤリスエイティブ』(7万6289台)、マレーシアで2023年2月に生産を開始したプロドゥア『アジア』(1万1834台)、インドネシアで2023年6月に生産開始予定のトヨタ『アギア』と、開発中の1車種で、累計台数は計8万8123台(23年3月末時点)である。

この4月に内部通報があり、社内調査を実施したところ、通報通りに不正があったことを確認した。ドア部品で衝突を受けたときに人を傷つけるような壊れ方をしないように、本来の仕様にない加工を施して試験をしていた。ダイハツによると、車両としては問題がなく、正規部品を用いた社内再試験では、側面衝突試験で定められた基準を満たしているそうだ。


《山田清志》

特集