フォルヴィア、電動化&エネルギー管理など幅広い技術とソリューションを出展…人とくるまのテクノロジー展2023

「ハイダイナミックレンジ(HDR)グリーンディスプレイ」
  • 「ハイダイナミックレンジ(HDR)グリーンディスプレイ」
  • 「ハイダイナミックレンジ(HDR)グリーンディスプレイ」。左右のメーターの明るさはほぼ同一だが、右側は電力が7割程度で済んでいる
  • 「ハイダイナミックレンジ(HDR)グリーンディスプレイ」。細部で多少の荒れは見られたが、メーター類などでは十分な質感を発揮できていた
  • 「高電圧EV向けエネルギー・温度管理技術」
  • 「モビリティ向けフォルシアフラット水素貯蔵ソリューション」
  • 「安全と自動運転」のソリューション
  • 自動運転を実現する上で重要な役割を果たすセンサー類を出展
  • 「ドライバーモニタリングシステムECU」

FORVIA(フォルヴィア)グループのフォルシアとヘラーは「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」に出展し、フォルヴィアグループの幅広い技術とソリューションを紹介した。

展示は「電動化&エネルギー管理」「安全&自動運転」「デジタル・サステイナブル・コックピットでの個人に合わせたエクスペリエンス」という3つの柱で構成。ブースはフォルシアとヘラー2つのセクションに分けて展開された。

電動化&エネルギー管理

このカテゴリーで注目されたのが、「ハイダイナミックレンジ(HDR)グリーンディスプレイ」だ。リリースによれば、「自動画像処理、省エネルギーなど、あらゆるディスプレイハードウェアにおける製品寿命のアップグレードを可能にした初の知覚ディスプレイプラットフォーム技術」とされている。

これは利用可能なチップセットでの最適化されたアーキテクチャソフトウェアを特徴とする高度なディスプレイのことで、画像強調処理、LED数の削減、省エネアルゴリズム、ハードウェアコストの20~30%を節約し、暗さと明るさの知覚コントラストも30%向上を実現できるという。

その効果を体験してみると、バックライトの出力を下げているにも関わらず見た目の明るさはほとんど変わっていない。細部でこそ多少荒れた表示にはなるものの、メーター類などインフォテイメント機能での実用性にはまったく影響がなく、必要な機能をしっかり発揮した上で省エネ効果を発揮していることに驚かされた。

電動化が進む中ではわずかな省エネが命綱につながることもある。そんな発想に下で開発された注目の技術と言えるだろう。

その他、乗用車および小型商用車向けに設計された水素貯蔵モジュールとして「モビリティ向けフォルシアフラット水素貯蔵ソリューション」を出展。プラグアンドプレイで組み込めるのが特徴で、最大20%ものコスト削減を可能にするという。また、「高電圧EV向けエネルギー・温度管理技術」は軽量かつスケーラブルなバッテリー管理システムで、サイズ、複雑性、コストを削減して効率を最大化できる注目の技術だ。

安全&自動運転

このカテゴリーでは自動運転を実現する上で重要な役割を果たすセンサー類を出展した。それらは、乗員状態をカメラで監視し安全運転を促進するドライバーモニタリングシステムをはじめ、車両周辺の安全を確保するEミラーやサラウンドビューなどの独自技術のカメラなどが含まれる。

その中で興味深かったのは「SHAKEセンサー」と呼ばれる、濡れた路面を自動検知できるセンサーだ。具体的にはフロントホイールアーチライナーに組み込まれ、走り始めると同時にタイヤから跳ね上げられた飛沫を検知することで路面状況を把握する。すでにポルシェでは濡れた路面状況を把握する機能として採用されているという。


《会田肇》

特集