【EnduraPro Plus 試乗】新興EVの硬い足回りを激変させるTEINの純正形状ダンパー

ZEEKR 001
  • ZEEKR 001
  • テスラ モデルY
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  • TEINが中国・宿遷市内サーキットで開催した「EnduraPro Plus」「TEIN FLEXZ」「EDFC5」試乗会の、試乗車種4台
  • テスラ モデル3
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TEINの海外生産拠点のある中国・宿遷市内サーキットにて7月12~13日、、「EnduraPro Plus」「TEIN FLEXZ」「EDFC5」の試乗会が行われた。

試乗車種はテスラ『モデル3』、『モデルY』、BYD『SEAL(シール)』、ZEEKR『001』の4種類のEVだ。初日は純正ダンパーと「EnduraPro Plus」装着後の4車種の試乗を行った。

「EnduraProPlus」とは「EnduraPro」に減衰力調整機能を付随した純正形状のダンパーであり、中国をはじめモンゴルやインド、パキスタンといった東アジア地域で売上を大きく伸ばすTEINのグローバル展開戦略における主力製品「EnduraProシリーズ」のひとつで、市街地走行時の快適性能を主眼にチューニングされている。ラリーシーンで必須装備とされているH.B.S(ハイドロ・バンプ・ストッパー)が採用されており、バンプ時の衝撃を熱エネルギーに変換して吸収する機構により、重心の上下運動をより柔らかく収束させることで乗り心地を改善させることが同シリーズのウリである。

●テスラ モデルY 試乗

テスラ モデルYテスラ モデルY

ZEEKR 001、SEALに次いで試乗したモデルYは、2車種よりも劣るとは感じたものの、0-100km/h加速は5.0秒と加速性能は十分で、省部品化に起因する室内空間の広さ、“タッチスクリーン”と呼ばれるタブレットで自動車のあらゆる状態を確認・設定が変更可能な点はまさに次世代の自動車のそれで非常に楽しく体験することができた。走行路面は宿遷市内のサーキット場で、路面が整備されていることもあり、ロードノイズは少なかったものの、運転していて硬さを感じる場面が多かった。車内空間での体験提供や“メガキャスティング”とテスラが呼ぶ製造工程で既存の自動車メーカーにない取り組みをする一方で、試乗では段差を乗り上げた際の衝撃はもろに身体全体を突き上げる感覚があり、長距離運転では疲れが溜まりそうな印象を受けた。

●ZEEKR 001 試乗

ZEEKR 001ZEEKR 001

発車後アクセルを踏んだ時のスムーズな走り出しや、強く踏み込んだ時の加速性能、乗車時の快適性は今回試乗した4台のEV車の中で最も良いと感じた。しかし、アクセルワークの未熟さもあるのだが、加速時にアクセルを踏み込んでから離したときの前後Gは大きいものがあり、緩めた時に急な回生が働き、シートに叩きつけられるような感覚があった。

●TEINの純正形状ダンパー「EnduraPro Plus」装着後はどう変わったのか

EnduraPro  Plusの装着を行うTEIN現地スタッフEnduraPro Plusの装着を行うTEIN現地スタッフ

大きく乗り心地が変わったのがテスラ モデルYである。サーキット内の段差に乗り上げた際に脳天に貫通する衝撃が和らいだ。ZEEKR 001はもともと乗り心地が良い車だという認識があったが、地面に吸い付くような感覚があり、より引き締まった印象となって前後Gによる揺り戻しも軽減された。両車種に言えることだが、ハンドリングが非常にクイックな操作性になり、純正の時よりも思い通りに車を動かせるような感覚になった。そして不要に感じられていた振動もかなり抑えられていて、自分自身の乗り心地はもちろんのこと、同乗者がいた場合にも快適な車内になっていることが想像できた。

●試乗1日目純正ダンパー「EnduraPro Plus」の試乗を通して

TEINが中国・宿遷市内サーキットで開催した「EnduraPro Plus」「TEIN FLEXZ」「EDFC5」試乗会の、試乗車種4台TEINが中国・宿遷市内サーキットで開催した「EnduraPro Plus」「TEIN FLEXZ」「EDFC5」試乗会の、試乗車種4台

1日目の試乗を通して新興EVメーカーの勢いと同時に、車作りの粗さを感じた一方、サスペンション一つで大きく乗り心地が改善されることもわかり、TEINの純正形状ダンパーEnduraProシリーズがユーザーに求められていること、売り上げが右肩上がりであることは紛れもない真実であることを身をもって体感した。先述の通り、今回の試乗路面が綺麗だったこともあり、細かな段差による乗り心地の変化は感じられなかったものの、TEINが今後事業展開をしていく東南アジア地域では未舗装の路面が多いことが想定され、新興EVの普及と伴いEnduraProシリーズのニーズは拡大していくだろう。

<取材協力:TEIN>

《斉藤諒》

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