IONIQ 6・EV6ヒョンデEVの最新技術…充電効率と航続距離を改善するe-GMP[セミナー見どころ解説]

ヒョンデ・アイオニック 6
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  • キアEV6 GT
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EV市場ではBYDの存在感が増しているが、ヒョンデも競争力の高いEVを多数ラインナップしている。「KONA」「キャスパーEV」は国産コンパクトの新しい脅威となりであり、最新プラットフォーム「e-GMP」を搭載する「IONIQ 6」「EV6」も注目だ。

e-GMPは800Vシステムのパワートレイン(PEシステム)を搭載し、300km分の電力を18分で充電可能だという。400Vの充電器とも互換性があり、安全性や航続距離も進化させている。どんな技術が投入されているのか、ヒョンデのパワートレイン開発の技術者、ハン・ドンヨン氏(現代自動車 EV駆動設計2チーム パート長およびイ・ガンフン氏(現代自動車 バッテリー戦略チーム)によるセミナーが2月15日にレスポンスのオンラインセミナーで開催される。

<セミナーの詳細はこちら。

その概要と見どころを解説する。

■ヒョンデの主力は「e-GMP」プラットフォーム

現代自動車グループにはヒョンデ、ジェネシス、起亜の3つのブランドがある。それぞれにEVはラインナップされているが、同社のEV開発は2010年の「BlueOne」のプロトタイプにさかのぼることができる。本格的な市販EVは2016年からだ。EV専用モデルであるIONIQ 5とは起亜のKONAはすでに日本でも発売されている。グローバルではIONIQ 6(セダン)、起亜のEV6 GT・EV9(大型SUV)、ジェネシスGV60が新型車として投入されている。

KONAを除くこれらの車両の共通点は、e-GMP(Electric-Globa Modular Platform)というEV専用プラットフォームを骨格に持つことだ。現代自動車では、2030年までにヒョンデで11モデル以上、ジェネシスで6モデル以上のEVを投入する予定でいる。他にも商用小型トラック(LCV)や、EU、米国、中国、アジアなどリージョンモデルの開発計画もある。これらはe-GMP、もしくはその改良・派生プラットフォームが採用されるはずだ。

e-GMPは後輪駆動レイアウトを基本として設計されている。駆動系は800Vシステムとなりフロントに補助モーターを搭載すれば4WDになる。効率化と小型化を特徴とする。また、e-GMPは各部が高度にモジュール化されている。モデルがちがっても共通コンポーネントの組み合わせで設計できるようになっている。

■400V/800Vマルチ充電システムを実現した技術

セミナーのスピーカーであるハン氏によると、e-GMPの800V PEシステムは、起亜EV6で、18分の急速充電で370km分の走行が可能になるという(72kWhのバッテリーを10~80%までの充電時間)。しかも充電口は400V、800V共用可能なマルチ充電技術を搭載している。つまりPEシステムの電圧は800Vで設計されているが、400Vの急速充電器でも、問題なく充電が可能ということだ(充電時間は変わる)。


《中尾真二》

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