6日にルノー・ジャポンより販売が開始された『ウインド』は、ルノー・スポールで開発されたクルマである。ルノー・スポールらしいスポーティな走りを実現するため、ボディ剛性と重量のバランスを巧みに両立したのだという。
マーケティング部商品計画グループのフレデリック・ブレンさんは、「ルノー本社がこういうクルマを作ってほしいとルノー・スポールに託したのです。ニッチで職人技が必要なモデルである以上、(本社では小回りが利かないので)非常に開発しにくいクルマなのです」と話す。
そもそも、ロードスターは妥協だらけになりがちだとブレンさんはいう。「スポーティさは欲しいが、オープンにもしたい。オープンにすると剛性が足りなくなる。そして、補強すると重くなる。重くなるとスポーティさが無くなるという悪循環に陥りバランスが崩れてしまうのです」。
しかし、このウインド最大の特徴である12秒程で開閉可能なルーフは、重量わずか約22kg。油圧式ではなく電動式の小さなモーターを使ったこと、回転式のシンプルな構造としたことにより、軽量化とともに素早い開閉が可能を可能とした。
また、ルーフ自体の素材を軽量なPVCとしたことでクルマ全体の軽量化につながった。また、「コンパクトなクルマの屋根を切っているので、通常ならねじり剛性がかなり犠牲になる」(ブレンさん)が、トランクルームに見られるクロスメンバーなどによりボディを補強、高い剛性を実現しスポーティな走りを手に入れた。