特急『おおぞら』からキハ283系撤退、新得-釧路間ローカルはH100化…JR北海道2022年春のダイヤ見直し

千歳線上野幌~北広島間を行く『おおぞら』。2022年春にはすべてキハ261系での運行とする計画。
  • 千歳線上野幌~北広島間を行く『おおぞら』。2022年春にはすべてキハ261系での運行とする計画。
  • JR北海道の振子式気動車キハ283系。1997年3月のダイヤ改正で『スーパーおおぞら』にデビューしてから四半世紀で『おおぞら』系統から消えることになる模様。
  • 札幌~旭川間の特急『ライラック』。幹線系の電車特急も削減の対象になる。
  • 根室本線新得~釧路間と石北本線上川以西へ追加投入されるH100形。函館本線塩谷~小樽。
  • 新函館北斗駅では北海道新幹線と特急『北斗』との接続短縮が図られる。
  • 学園都市線の新駅・ロイズタウン駅の駅舎イメージ。JR北海道の在来線駅で企業名が冠されるのは千歳線のサッポロビール庭園駅に次いで2例目となる。
  • 東風連駅を移設して設けられる宗谷本線名寄高校駅の予定位置。
  • 宗谷本線で廃止が決定している歌内駅。大正時代の1923年11月に当時の宗谷線が問寒別(といかんべつ)まで開通した際に「宇戸内(うとない)駅」として開業。1951年7月に現駅名に改称された。1967年には6万1000人の年間乗降客数を記録したと言われているが、2016年にJR北海道が発表した「極端にご利用が少ない駅」の速報値では1日あたりの利用者が1人以下となっていた。2004年5月。

JR北海道は9月15日、2022年春の実施へ向けて検討しているダイヤ見直しについて、その概要を発表した。新車投入や新駅開業による輸送体系の見直し、北海道新幹線と在来線特急との接続改善を主な内容としている。

新車投入では、キハ261系特急型気動車22両を増備することが目玉で、札幌~釧路間の特急『おおぞら』3往復に残る振子式特急型気動車のキハ283系をすべて置き換える。

また、電気式気動車のH100形も30両が増備され、根室本線新得~釧路間の普通列車54本すべて、石北本線新旭川(旭川)~上川間の普通列車24本中19本をキハ40系から置き換える。これにより根室本線では平均3~5分程度、石北本線では平均4分程度の時間短縮が図られ、根室本線では最大20分程度短縮される列車もあるという。

新駅は、札沼線(学園都市線)あいの里公園~石狩太美間に「ロイズタウン」駅、宗谷本線東風連~名寄間に、東風連駅を名寄駅方に1.6km移設する形で「名寄高校」駅が設けられ、ロイズタウン駅は学園都市線全列車84本中9割が、名寄高校駅は普通、快速合わせて24本すべてが停車する。

こうした動きの一方で、利用が少ない列車の減車や減便を進めることで動力費の削減を図るとしており、特急『おおぞら』では、利用者減に対応して4・5・10・11月の平日など、閑散期に普通車自由席を現行より1両減車した4両編成とする。

『おおぞら』以外の特急では、札幌~旭川間『ライラック』2本の臨時列車化、土休日運行の臨時『カムイ』4本の運行日縮小が行なわれる。

普通列車では、札幌圏で土休日に10本程度減便し、学園都市線では日中や夕方の運行本数や編成両数を見直す。

札幌圏以外の普通列車では合計20本程度を対象に、函館本線岩見沢~旭川間、室蘭本線苫小牧~岩見沢間、日高本線(苫小牧~鵡川)、根室本線新得~池田間、宗谷本線旭川~名寄間で減車、函館本線函館~森間で減車や土休日運休を行なう。

このほか、経費節減策として、2021年3月のダイヤ改正に続いて「極端にご利用の少ない駅」の見直しを行なうとしており、釧路以東の根室本線(花咲線)で1駅、宗谷本線で1駅、函館本線で5駅を廃止する方向で、現在、関係自治体と協議しているが、宗谷本線では中川町が歌内(うたない)駅の廃止を容認している。

これらの施策はあくまで検討中のもので、詳細は決定次第発表されるが、JR北海道では動力費を年間約7000万円、駅に要する経費を年間約1000万円削減できるとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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