斉藤鉄夫国土交通大臣は9月9日に開かれた定例会見で、JR東日本が2023年3月の導入を表明している「オフピーク定期券」について記者の質問に答えた。
この定期券は、通勤時間帯の混雑平準化を図るため首都圏の利用者が多いエリアを対象に通勤ピーク時間帯以外に利用できるもので、通常の定期運賃より1割程度引き下げて発売するという。
これについては、7月26日に公表された「鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会」の中間取りまとめでも「運賃・料金の設定を可能とすることにより、鉄道事業に求められる役割の多様化・高度化に適切に対応し、もって利用者利便の更なる向上を図るべき」として、「朝の通勤時間帯の混雑を緩和することを目的とした時間帯別定期券」「一定期間に一定回数利用可能な定期券」「一定エリア内で利用できる定期券」など、多様な働き方や生活行動圏に応じた定期券や定期サービスを設定することが挙げられていた。
小委員会での取りまとめを念頭に斉藤大臣は「今後、JR東日本から認可申請があれば、適切に対処したい」と述べ、オフピーク定期券のような増収を目的としない運賃改定については、現行制度の運用改善や工夫で対処する一方、認可手続きの簡素化や、鉄道事業者の意向も踏まえた新たな運賃・料金制度の検討を進めていく考えを示した。