アウディ、「App Store」を車載化へ…7月から欧州で

アプリはスマホを経由せずMMIシステムに直接インストール

Alexaアプリの最新版にアクセスすることも可能に

通信料は最初の25ギガバイトまで無料

欧州向けアウディに車載化される「App Store」
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アウディ(Audi)は3月1日、欧州向けの一部モデルに、「App Store」(アプリケーションストア)を車載化すると発表した。

◆アプリはスマホを経由せずMMIシステムに直接インストール

App Storeを車載化することで、ユーザーは車内のデータリンクと「MMI(マルチ・メディア・インターフェース)」を介して、人気の高いサードパーティ製アプリに直接かつ直感的にアクセスすることが可能になるという。ユーザーが選択したアプリは、スマートフォンを経由することなく、MMIシステムに直接インストールされる。

この技術の基盤になっているのが、追加の電子コンポーネントによって拡張された第3世代のモジュラーインフォテインメントツールキット「MIB 3」だ。USBメモリースティックとほぼ同じサイズのアウディハードウェアモジュールには、オープンソースのOSがインストールされている。そのため、車両を介してサードパーティ製アプリにアクセスすることが可能になる。

App Storeは、最新のMIB 3ソフトウェアクラスターを搭載した欧州向けの『A4』、『A5』、『Q5』、『A6』、『A7』、『A8』、『Q8 e-tron』、『e-tron GT』で、7月から利用できるようになる。これらのアウディモデルには、欧州全域に加えてカナダと米国でも、生産時にApp Storeが組み込まれる。この機能は、2023年内に他のモデルにも拡大展開される予定だ。サードパーティのアプリは、初期生産の車両では利用できないという。

◆Alexaアプリの最新版にアクセスすることも可能に

新しいApp Storeでは、ユーザーはさまざまなアプリにアクセスして、直接MMIにダウンロードしたり、スマートフォン経由でMMIにダウンロードしたりことができる。App Storeの導入時には、音楽、ビデオ、ゲーム、ナビゲーション、パーキング、充電、天気、ニュースなどのカテゴリーのアプリが利用できる。たとえば、音楽セクションには、「Amazon Music」や「Spotify」などのアプリが含まれている。

ストアには常に新しいアプリが追加され、拡張される。ユーザーは、それらのアプリに、個別のMMIタイルからアクセスできる。追加したアプリは、MMIにシームレスに実装され、運転中でも安全かつ確実に使用できるという。アプリのラインナップは、それぞれのマーケットに合わせて調整されている。

アマゾン(Amazon)の音声アシスタント「アレクサ(Alexa)」は、2019年からアウディ車に搭載されている。2023年の夏から、ユーザーはいつでもAlexaアプリの最新バージョンにアクセスできるだけでなく、改良されたグラフィックインターフェイスやスマートホームデバイスを管理するための新しいビジュアルコントロールパネルなど、追加機能にもアクセスできる。

◆通信料は最初の25ギガバイトまで無料

サードパーティのアプリを使用するには、データリンクが必要。これは、いわゆる組み込みSIMと呼ばれる車両に搭載されたSIMカードを介して、通信を行う。欧州のアウディユーザーの場合、携帯電話ネットワークを使用することで、発生するコストは「Cubic Telecom」のデータ使用料に基づいて課金される。最初の25ギガバイトは無料。これまで通りアウディは、オプションのスマートフォンインターフェイスで、グーグル「Android Auto」とApple「CarPlay」をサポートする。

新しいApp Storeをはじめ、複雑なデジタルシステムを開発し、市場に普及させるために、アウディはフォルクスワーゲングループ内に蓄積された知識と相乗効果を活用している。グループのソフトウェア企業「CARIAD」は、グループのすべてのブランド向けに、電子アーキテクチャー、ソフトウェアプラットフォーム、自動車用クラウドへの信頼性の高い接続技術など、自動化やコネクテッドドライブのための各種テクノロジーを開発している。CARIADは、先進運転支援システム(ADAS)、標準化されたインフォテインメントプラットフォーム、自動車を中心とした新しいデジタルエコシステムの開発にも取り組んでいる。

アウディは、フォルクスワーゲングループ内でサードパーティアプリ用の新しいストアを導入した最初のブランドになる。CARIADによって開発された拡張可能なソリューションにより、アウディのドライバーは、定期的なソフトウェアアップデートを受けられるだけでなく、これまで以上にパーソナライズが可能なインフォテインメントシステムも利用できるようになる、としている。

《森脇稔》

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