昭和の昔の歌謡曲には「3日おくれの便りをのせて……」という歌い出しのミリオンセラーもあったが、日産自動車と仏自動車大手ルノーとの資本関係見直しは、当初予定から4か月も遅れてようやく最終契約を結んだという。
◆ルノーの日産への出資比率は15%へ
発表によると、2023年末までにルノーの日産への出資比率を43%から15%に引き下げ、日産が持つルノー株の比率と対等にするそうだ。また、ルノーが設立する電気自動車(EV)の新会社「アンペア」に、日産が最大6億ユーロ(約930億円)を出資し、取締役を派遣することも決めたという。
きょうの各紙にも「日産・ルノー対等化、4か月遅れ決着」(読売)や「日産、4か月遅れの再出発」(日経)、さらに「日産再発進 出遅れ」(毎日)などのタイトルで、日産が想定よりも遅れて新たなスタートを切ることに焦点を当てた記事が目立つ。
◆新しい関係性で解決すべき課題
このうち、読売は「今後は競争力のあるEVを両社で開発できるかどうかがカギとなる」と強調。朝日も「日産、試される独自戦略」との見出しで「今後、独自の戦略をどう描くかが焦点となる」。毎日は「今後、ルノーとの対等で『ウィンウィン』の関係を築けるかがカギ」。そして産経は「日産再出発成長の試金石、販売下方修正中国事業立て直し」とのタイトルで、「ルノーとの連携を円滑に進めていく上でも、日産自身の大きな収益基盤である中国市場のEVシフトを勝ち抜いていくことは欠かせない」とも伝えている。
さらに、日経は「EV時代での勝ち残りに向け、再出発した日仏連合にこれ以上の遅れは許されない」としながら「過去の経営の混乱やルノーとのしがらみを超え、危機感を改めて共有できるかにかかっている」とも指摘している。
思えば、両社の抜本的な資本関係の見直しは、経営危機に陥った日産にルノーが約6000億円を出資した1999年以来、ほぼ四半世紀ぶりの大きな転機を迎えることになる。最終契約の締結を受け、日産の内田誠社長は「ルノーや三菱自動車との協業が次の段階に進む」として「どこまで経営資源を集中して伸ばしていくかは、次の中期経営計画で示したい」と指摘、まずはお手並み拝見である。
2023年7月27日付
●ビッグモーター、国交省、社長ら聴取。保険不正 立ち入りも視野、「上司指示」損保ジャパン把握か(読売・1面)
●日産・ルノー対等出資最終契約(読売・2面)
●トヨタ元社員の採用強化、外部での経験や知見期待(読売・8面)
●独立した会社同士メリット追求を、日産・元最高執行責任者志賀俊之氏(朝日・6面)
●BMW、16.9万台リコール(朝日・29面)
●最新ドローンずらり、ビッグサイト80社が展示、24時間飛行や重さ50キロ運搬(毎日・19面)
●トラック速度年内結論、高速道上限引き上げへ(産経・1面)
●三菱自、タイで新車発表、6代目トライトン、ASEANを重視(東京・6面)
●ガソリン価格、10週連続値上がり(東京・6面)
●社説、深まるビッグモーターの闇(日経・2面)
●GMや3Mなど米主要企業、相次ぎ業績上方修正(日経・15面)
●欧州自動車大手、ステランティス、1~6月37%増益(日経・15面)