乗ればわかる!スズキの原二スクーター『アドレス』&『アヴェニス』…その違いはとんでもなく大きかった

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スズキ アドレス125 / アヴェニス125
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◆同じようで乗り比べると全く違う『アドレス125』と『アヴェニス125』

正直に告白すると、なぜ『アドレス125』と『アヴェニス125』を同じような時期に導入したのか疑問だった。

共に使い勝手に優れ、スズキの各モデル同様に機能も充実、さらに車両価格もグッと抑えた(アドレス125/273,900円、アヴェニス125/284,900円)。よって試乗前、2台のWebカタログを見比べながら、「異なる外観でユーザー層のさらなる拡大を狙ったのかな?」と安易に考えていた。

スズキ アドレス125 / アヴェニス125スズキ アドレス125 / アヴェニス125

百聞は一見にしかず。乗り比べると違いはとんでもなく大きかった……。空冷単気筒SOHC2バルブ124ccの「SEPエンジン」は、スペックこそ同じ8.7PS/10N・mで、車両重量にしてもアドレス125/105kgに対し、アヴェニス125/107kgと近似値。それなのに2台は個性豊かな走行性能を持ち合わせていた。以下、順を追って比較したい。

◆雰囲気の異なるエクステリアをチェック!

スズキ アドレス125スズキ アドレス125

最初に外観。アドレス125のふくよかなボディラインは都市部の雑踏にも馴染みやすい。丸みを帯びたLEDヘッドライト周りの造形や、直線と曲線を織り交ぜたサイドデザイン、そして前方からの流れを汲むリヤコンビネーションランプなど、全体を通じて優しい印象を受ける。

スズキ アヴェニス125スズキ アヴェニス125

一転、アヴェニス125は線と面を強調する。わかりやすくシャープで前衛的なデザインだ。タイヤサイズはアドレス125と同じ前12インチ/後10インチだが、ボディ全長はアヴェニス125が70mm長く伸びやかで躍動感もある。ホイールベースは両車同じ1265mmなので、キックアップしたボディ後半部分で特有のサイズ感を生み出した。

◆「腰掛ける」アドレス125と「乗り込む」アヴェニス125

次に着座姿勢。身長170cmの筆者が座った際の印象を端的に表現すると、「腰掛ける」アドレス125(シート高770mm)に対して、アヴェニス125(同780mm)は「乗り込む」イメージだ。

スズキ アドレス125スズキ アドレス125

具体的にアドレス125の場合、ハンドルにはスッと手が届き、厚めのシートはどの位置でも据わりが良いから好みの着座姿勢がとりやすい。足つき性は数値以上に良好だ。降ろした足があたる部分に突起物がなく、かつ丸みを持たせた利点だろう。試しに、折りたたみ式のホルダー(リヤフック)に手さげ鞄を掛けてみたが、足元スペースはフラットで床面積が広いから足の置き場にも困らなかった。

スズキ アヴェニス125スズキ アヴェニス125

“乗り込む”と表現したアヴェニス125の着座位置は身長に応じてある程度、決まってくる。シートが前後セパレート気味で、タンデムシート部分にわずかな段差が設けられているからだ。よって、そこにお尻の位置を合わせると、ハンドル位置はアドレス125よりも若干高めに落ち着く。

足元スペースは気持ち前下がりな印象。シート/ハンドル/ステップに対して身体をある程度、位置決めされており、車体との一体感を高めている。フロアボード左右の形状からアドレス125と比較すると足は若干広がり気味になるが足つき性は良好だ。

◆同じエンジンでも異なる味付けをされた走行性能

スズキ アドレス125スズキ アドレス125

続いて走り。アドレス125はSEPエンジンのトルクを活かした走りが魅力。発進時からしずしずと速度を上げていくゆとりある走行性能は原付2種クラスのなかでも指折りだ。最大トルク値付近(5,500回転)を多用して、橋やオーバーパスなどの登り坂でもエンジン回転をそれほど上げずにグイグイと登りきる。

かといってダルな印象はなく、じんわりとしたスロットル操作でもしっかりとした躍度が感じられる。だから、ちょっとだけ加速したいという場面でも速度調整がやりやすかった。

スズキ アドレス125スズキ アドレス125

アヴェニス125はSEPエンジンのパワーを絞り出す特性だ。ECUをアヴェニス125専用に書き換え、指定アイドリング回転数はアドレス125から100回転上げた1,700回転へと高められた。これにより発進加速からアドレス125に差を付ける。アドレス125よりも加速時の回転上昇が速く、最高出力を発する6,750回転に近い領域を多用しているように感じられた。

さらに乗り味。アドレス125はスプリング/ダンパーともにソフトで快適性能を重視した設定。対してアヴェニス125はダンパー減衰力が高められたかのような動きだが、硬すぎず回頭性能にも優れる。それに合わせてなのか、アヴェニス125の前輪のみ指定空気圧が150kPa→175kPaへと高められている。

スズキ アヴェニス125スズキ アヴェニス125

ブレーキ性能は両車とも優れる。前ディスク/後ドラムと基本システムを共有しつつ、後輪ブレーキレバーの操作で前輪にも制動力がかかるコンビブレーキを同じく両車に採用した。アドレス125でも十二分な制動力を発揮するが、アヴェニス125は引き締められた足回りの効果もありノーズダイブが少なく、初期制動がさらにシャープに感じられた。

◆キックレバーも備えられ、充実の装備

2台ともシート下には収納スペースを設けつつ、フロント部分にはUSBソケット(5V・2Aの10W版)を完備する。ワンプッシュでエンジン始動できるスズキイージースタートシステムを採用したセルのほか、キックレバーもが装備されているため安心だ。シートを開けずに給油できるよう給油口は車体後部に設けられた。

スズキ アドレス125スズキ アドレス125

収納力の強化策も万全だ。2台とも、販売店装着のアクセサリーとしてトップケース(27L)を装着するためのキャリアなど一式が用意されている。

さらにアドレス125では「純正リヤキャリア 購入サポートキャンペーン」が期間限定で実施中。キャンペーン実施店でアドレス125の新車を購入された方を対象に、純正リヤキャリアの本体価格から6,600円のサポートが受けられるという。

高速道路の走行はできないが、一般道路では60㎞/hでの走行ができ2人乗りも可能、燃費性能に優れ、税金や保険料金を含めた維持費も安価。そんな原付2種クラス(排気量50cc超~125cc以下)の販売台数がじわりと増えている。筆者は16歳から原付2種クラスの車両に乗り初め35年になるが、その筆者からみてもアドレス125とアヴェニス125の異なるキャラクターは魅力的に映った。

スズキ アドレス125 / アヴェニス125と筆者(西村直人氏)スズキ アドレス125 / アヴェニス125と筆者(西村直人氏)
スズキ アドレス125の公式ページはこちら
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西村直人|交通コメンテーター
クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

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