どうする日本車メーカー? 米テスラ、低価格EVを数年内に投入計画[新聞ウォッチ]

現行テスラ
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  • パーク24グループのタイムズモビリティが配車する路上ステーション(東京都港区)
  • MINIエースマン・コンセプト

コスト低減による低価格の小型車開発と言えば、トヨタ自動車の『カローラ』など日本車メーカーのお家芸ではなかったのか。太平洋を越えた米国からその牙城を切り崩すようなニュースが飛び込んできた。

電気自動車(EV)大手のテスラが、低価格の小型EVを数年内に投入する計画を発表。新たな車両組み立て方式の工場をメキシコ北部に建設し、生産コストの半減を目指すそうだ。

◆メキシコに新工場

きょうの日経が報じているが、米南部テキサス州のテスラ本社で開いた投資家向け説明会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「これまでも数多くの細かな改良を重ねてきたが、もっとも重大な構造的な変化は未来の車種で実現するだろう」と発言。クルマづくりの抜本的な革新に取り組んでいることを明らかにしたという。

記事によると、テスラがメキシコ北部ヌエボレオン州に建設するEV工場は、主要部品ごとに塗装や内装を施してから完成車に組み立てる「アンボックストプロセス」と呼ぶ新たな方式を採用。骨格部品やドア、前部・後部座席などに分けて組み立てるため作業効率も高まるという。

◆派生車種の開発が容易

また、新たな生産方式に最適化したプラットフォーム(車台)の開発を進めており、車台を共通化することで派生車種の開発が容易になるとしている。しかも、メキシコの新工場だけでなく、米西部や米南部、ドイツ、中国の既存工場の生産ラインも数年かけて次世代の車台に対応するとも伝えている。

テスラが投入を計画する低価格帯の小型車EVは「数年内」と曖昧な表現ではあるが、低価格のEVなどでシェアを拡大している中国メーカーのBYDをけん制する発言とも思える。出遅れている日本車メーカーでは、日産自動車がEV戦略を見直し、一段と強化する動きもあるが、テスラの大衆車市場への参入は、脅威でもあるが、大いに刺激にもなるだろう。

2023年3月3日付

●単線で電車同士、数百メートルまで接近、JR川越線、乗客けがなし(読売・32面)

●米ITリストラ、日本に波及、グーグル「退職なら追加手当」メール、従業員、労組を結成(朝日・2面)

●高裁も罰金2.5億円、リニア談合、大成・鹿島に(毎日・20面)

●リニア水問題解決へ光、静岡県知事JR案で変化(産経・10面)

●「ミニ」次世代EV、試作車を日本初公開、BMW(産経・10面)

●高齢運転死亡事故の16%、昨年件数2年連続増、「団塊」影響か(産経・26面)

●テスラ、数年で低価格EV、生産に新方式コスト半減めざす、大衆車市場に新局面(日経・2面)

●トラック生産回復なお1年、日野自動車不正癒えぬ傷、トヨタ流変革これから(日経・13面)

●ルノー、吉利の合弁会社に出資へ(日経・13面)

「ヤリス」で路上カーシェア、パーク24、実証実験、国道に拠点、乗り捨てOK(日経・15面)

●自転車事故の死傷者ヘルメット着用9.9%、来月、全年齢で努力義務へ(日経・38面)

《福田俊之》

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