京浜急行電鉄(京急)は4月1日から、京急線全線で使用する全電力を再エネ電力=再生可能エネルギー由来の電力に置き換え、実質CO2排出量ゼロで運行する。1月30日に発表した。
京急は、2050年度末までに京急グループ全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする長期環境目標「京急グループ2050年カーボンニュートラル」を掲げている。京急は、2021年8月に空港線での運転用電力の再エネ電力への置き換えを開始した。
4月1日から、久里浜線6駅の業務用電力を除く、全線の運転用電力および業務用電力に東京電力エナジーパートナーの「グリーンベーシックプラン」を導入することで、全路線再エネ100%で運行する。久里浜線6駅(京急久里浜~三崎口駅)の業務用電力には2023年6月から、再エネ電力「エキトモでんき」を導入している。
これらにより、京急線は全路線87.0km・72駅で再エネ電力を100%使用し、年間約10万tのCO2排出量を実質ゼロにすることが可能になる。これは一般家庭約3万9000世帯分のCO2排出量に相当する。
京急は「京急グループ2050年カーボンニュートラル」の中間目標として、2030年度末に2019年度比で温室効果ガス排出量を30%削減することを設定しており、今回の取り組みにより、2024年度には約55%の削減を達成する見込みだ。
また、従業員の通勤や出張に伴う排出量の削減に取り組む企業が増加する中、羽田空港や品川など日本の玄関口をつなぐ鉄道路線として、カーボンニュートラルな路線の実現を通じて、社会全体のCO2排出量削減に寄与していくという。