来たる4月19日、オンラインセミナー「CES2024などに見るSDV・HMIやAI統合に向けたグローバルトレンド」が開催される。セミナーに登壇するのは、SBD Automotive ジャパン 製品企画・技術戦略調査 シニアコンサルティングスペシャリストである大塚真大氏。
今回のセミナーは以下のテーマで進められる。
1.SDVの定義とその利点について
• OEM各社によるSDVの定義の違いとSBDが定義するSDV
• なぜOEMはSDV開発を急ぐのか?
• SDVがもたらすビジネス変革
• SDVがもたらすサプライチェーン破壊
2.CESトレンド1:AI
• 注目のAI活用ツール・ソリューション(消費者家電)
• 注目のAI活用ツール・ソリューション(自動車部門)
• AIが自動車開発・運用にもたらす変化
3.CESトレンド2:HMI
• ソフトウェアディファインドスイッチ
• シャイテクノロジー
• AIを活用したHMIソリューション
4.CESトレンド3:SDV
• CESでの主要OEMのSDV関連発表
• チップベンダーがSDVの進化を加速させる
• ソフトウェアベンダーからのSDVソリューション
5.質疑応答
セミナーに先立ち、SDVの現在の状況やトレンドについて大塚氏に聞いた。
■SDVを4つのレベルに分類
今回のセミナーはSDVがひとつのテーマになっている。大塚氏は、SDVを4つのレベルに分類して定義すると理解しやすいと言及する。
「SDVの定義は言葉で表すのが難しいです。自動車業界でも各社や地域での統一がされていないと感じています。ゆえに当社では、SDVを4つのレベルに分類して考えています。
具体的には、レベル1は、ソフトウェアディファインドとは言っていますが、基本的には伝統的なECUに依存しており、機能が増えるごとにECUが増えるというものです。
次のレベル2では、車にコネクティビティ通信機能が備わり、コネクテッドカーとなっているものです。レベル3では、車両全体でコネクティビティの機能が活用され、主な機能がソフトウェアでオーバージエアで更新できるようになったものです。
最後のレベル4は、まだ先の話で、今後10年ほどは実現が難しいと考えられます。これはソフトウェアディファインドネットワークをイメージすると分かりやすいです。自動車が広いインターネットの一部となり、クラウドと連携して機能を自由にアップデートできるようになるというのが、SDVの最終的な姿です。」
「これらのSDVのレベルを実現するには様々な技術が必要です。これらの技術もレベルに従って必要なものが増えたり、逆にECUやハードウェアの数が減少したりすることもあると思います。」
この定義によると、現在の市販車はレベル2から3に移行しようとしている段階であるが、その移行はあまり進んでいないように感じられる。
「はい、確かにそうですね。現時点で最も進んでいるのはレベル3だと考えていますが、一方でまだレベル1や2の車も多く存在すると思います。
日本のメーカーを例に挙げると、トヨタ、日産、ホンダなどはレベル2の車を提供していますが、レベル3への移行に時間がかかっている理由としては、今まで必要とされなかった機能を実現しようとしているからだと考えられます。」
■ビジネスモデルの変革が迫られる
自動車というモビリティがSDVに進化していく過程において、これまでの自動車産業の“売り切り“ビジネスから、継続的な価値向上やソフトウェアの追加・更新などを契機とするアップセルやサブスクリプションによる収益モデルが必要になると大塚氏は説明する。